食事について
バランスの良い食事を1日3回きちんと摂ることが大切です。便の性状や臭い・ガスの発生に影響する食べ物はありますが、控えめに摂る ように気をつければ特に問題ありません。食べ過ぎに注意し、よく噛み、いろんな種類の食品をまんべんなく少しずつ食べましょう。 珍味などの食べなれない食品は、1日1品として異常がないことを確認するように心がけてください。
1食7~10種類
1日20~30品目を目標にしましょう外食事はバランスを考え、単品より
定食を選びましょう低脂肪乳、ヨーグルトやチーズなどで
腸内環境を整えましょう1口30回を目標に
ゆっくりよく噛んで食べましょう
イレオストミー(回腸ストーマ)の方
野菜、芋、豆等、水溶性食物線維の摂取をしましょう。
さらにバナナ・リンゴ・モモ等の果実類、キャベツ・大根等の野菜類、ジャム、
芋類などはペクチンが摂れます。
こんぶやわかめなど海草はアルギン酸が摂れます。
脱水状態にならないように、
1日1500ml以上を目標に水分を摂取しましょう。
水・茶・スポーツドリンク・みそ汁・ジュース等水分補給 が重要です。ただし、スポーツドリンク・ジュースは糖分 が多いので、飲み過ぎないように注意しましょう。
脂肪の取り過ぎに注意!
腸に食品が詰まらないように、
消化されにくい食品は避けましょう。
バターをマーガリンに、ラードや動物性の油脂は植物油に変え、 1 日10g 以下におさえましょう。肉類や魚類でも脂肪の多い食品 があるので、摂りすぎに注意しましょう。
消化されにくい食品(玄米、トマト、パイナップル、ポップコーンなど) は消化されにくいので、一度に多量に摂取せず、細かく刻む、皮をむく、 裏ごしをするなどの工夫をしましょう。
ウロストミー(尿路ストーマ)の方
水分補給が重要です!
個人差はありますが1日に1,000 ~ 1,500ml の尿が排泄されるので、尿路感染、尿の防臭、 尿結晶の予防のためにも十分な水分摂取に努めてください。クランベリージュースまたはビ タミンCを含んだ食品は、尿の酸性度を保つ働きがあります。
下痢の時
下痢を起こしやすい食べ物には個人差があります。どのような食事が下痢を起こしやすいのか、早めに見つけるようにしましょう。 下痢が生じると装具が溶けやすくなったり、皮膚障がいが起こりやすくなります。下痢になる原因には、食事内容だけでなく、体調不良、ストレスなどがありますが、軟らかく消化の良い食事を心がけましょう。
下痢の時に避けた方が良いもの
そば、海草類、お酒など便を柔らかくする食品を避けましょう。ガムや飴に含まれる 人工甘味料、脂肪、豆類やキノコ類などの不溶性食物繊維、牛乳、清涼飲料水、カフェイン、香辛料など冷たいものや刺激の多いものは避けた方が良いでしょう。
消化吸収の良い物を摂取しましょう
米(おもゆ、おかゆ)、くず湯、よく煮たうどん、プリン、じゃがいもなど
便秘の時
便秘とは、3日以上便通がない状態が続いていることをいいます。水分摂取や食物繊維摂取不足、運動不足などが原因です。朝起きてすぐに 水や牛乳を飲むと腸の動きが活発になります。腸内細菌のバランスを整えることも大切なので、ヨーグルトなどを毎日食べるのもいいでしょう。便秘にならないためには普段から運動、食物繊維摂取、水分摂取を心がけましょう。
便秘の時に避けた方が良いもの
便を固くする食品、もち、白身魚、固い米、うどんなどは避けた方がよいでしょう。
1日1500ml以上を目標に水分を摂取しましょう。
水・茶・スポーツドリンク・みそ汁・ジュース等。ただし、スポーツドリ ンク・ジュースは糖分が多いので、飲み過ぎないように注意しましょう。
食物繊維を多く含む食品を摂取しましょう。
さつまいも、ごぼう、こんにゃく、豆類、きのこ類、干物など。また主食 を玄米や雑穀、シリアルなどにすると簡単に食物繊維が摂れます。
ガスを予防する食事
ガスの音は肘や手でストーマを覆うことでガスの音を目立たなくできます。ガスの発生は、食事の時に飲み込んでいる空気や、食品の発行、 炭酸飲料のガス、脂肪の多い食事などが主な原因です。食事の摂取方法に注意して、ガスの出やすい食品を控え、腸内細菌のバランスを整え ることで、ガスやにおいの発生を抑える工夫をしましょう。
ガスの出やすい食品
炭酸飲料、豆類、こんにゃく、ごぼう、消化の悪い炭 水化物など、ガスが発生しやすい食品は避けましょう。
食事や会話時の仕方に注意
水分摂取する時にはゴクゴク飲まず、ストローを使って少しずつ飲むようにする。
食事中の会話は避け、口を閉じて食事をする。
チューインガムや喫煙を控える。
腸内細菌のバランスを整えましょう。
乳酸菌飲料やヨーグルトを積極的に摂取しましょう。
ニオイをを予防する食事
便のニオイは食事に影響されるので、ニオイの生じやすい食品を避けることで解消します。
また、ニオイの生じやすい食品を摂取する時間を工夫するのも良いでしょう。
ニオイの生じやすい食品
豆類、アスパラガス、ニンニク、ネギ類、高タンパク高カロリー の食品を控えましょう。
フラボノイドなどは消臭効果があると言われています。
カテキン(緑茶、紅茶)、赤ワイン、パセリ、レモン、アセロラジュース、オレンジジュース
グレープジュースなど。乳酸菌飲料やヨーグルトなどで腸内環境を整える。
まとめ
- 便をやわらかくする食品
- 生野菜・生の果物・冷たい飲み物・ブロッコリー・ごぼう・豆類・揚物・ビールなどのアルコール類など
- 便を固くする食品
- ごはん・白いパン・麺類・もち・葛湯・マシュマロなど
- 消化に悪い食品
- キノコ類・海藻類・ナッツ類・こんにゃく・しらたき・イカ・タコ・貝類・佃煮・燻製・バラ肉・鶏皮・塊り肉・ベーコンなど
- ガスの出やすい食品
- 山芋類・ごぼう・さつまいも・炭酸飲料・ビール・大根・貝類・豆類・カリフラワー・ブロッコリーなど
- ニオイを強くする食品
- にんにく・長ネギ・タマネギ・にら・玉子・豆類・カニ・海老・ビール・魚・肉・チーズなどの乳製品など
- ニオイを抑える食品
- ヨーグルト・パセリ・市販のシャンピ二オンエキスなど
入浴について
ストーマ周囲の皮ふを清潔にするだけではなく、ストレスを和らげ、心身の疲れを撮るために も1日1回入浴をおすすめします。 ストーマ装具を外して入浴しても、体内の圧はお風呂の水圧より高いため、お湯が体内に入る 事はありません。ただし、入浴中に便が出ることがありますので、気になるようでしたら装具 をつけて入浴をしましょう。
入浴のタイミングと湯温
食前は便が少ないので、入浴は食前にされることをお勧めします。
食後2 ~ 3 時間に排便があることが多いので、それ以降に入浴するようにしましょう。
ストーマはやけどしやすいので、湯温は40 度前後のぬるめにしましょう。
装具を付けたまま入浴
2. ストーマ装具の処置
○入浴用キャップやミニストーマ袋に取り替えるか、ストーマ袋を三つ折りにしてテープ等でしっかり固定します。
○脱臭フィルター付きのストーマ袋を装着している場合は、脱臭フィルターにお湯が入らないよう、装具の箱に同梱されている
フィルターシールを貼ります。
○面板が全面皮膚保護剤の場合は、面板の外周にサージカルテープを貼ります。
( 皮膚保護剤が溶けるのを防ぎ、剥がれないようにするための補強)
3. 入浴後、入浴前に貼ったフィルターシールをはがし、装具についている水分を拭きとります。
装具が濡れたままだとかぶれの原因になります。入浴用の装具を使用した場合は、日常使用している装具に取り替えます。
装具を外して入浴
1. ストーマとストーマ周囲の皮膚はごしごし洗わず、お湯と石けんで優しく洗いましょう。
2. 入浴はストーマを観察する良い機会です。ストーマ周囲の皮膚が赤くなっていないか、ただれ、かぶれなどはないか、
ストーマから出血はしていないか、色・形は変化していないかなど、しっかり確認しましょう。
3. 浴槽では、ストーマの粘膜からの粘液がお湯に混じるのを防ぎ、排泄物を受けるため、プラスチック容器( プリンやゼリーの
カップなど) をストーマ部位に当てて、片手で押えます。
銭湯・温泉の入浴
入浴は腸蠕動がよくなるので便が出るおそれがありますので、装具は必ずつけて入りましょう。
人の目が気にならないように、また周囲に配慮する意味でも、装具を目立たなくする工夫を心がけましょう。
浴室に行く前に、自室で準備しておくこと
1. トイレで、ストーマ装具の中の排泄物を処理し、空にしておきます。
2. ストーマ装具の処置
○入浴用キャップやミニストーマ袋に取り替えるか、三つ折りにしてテープ等でしっかり固定します。
( ただし、ストーマ袋を小さく折りたたみ過ぎると、排泄があった時に排泄物が漏れ出したり、
装具が外れたりするので要注意)
○脱臭フィルター付きのストーマ袋を装着している場合は、フィルターシールを貼ります。
○面板が全面皮膚保護剤の場合は、面板の外周にサージカルテープを貼ります。
3. 装具の上から貼る保護シートは、肌色であまり目立たないので、着用するのもよいでしょう。
4. タオルを1枚余分に持っていきましょう。( 装具の水分拭き取り用)
5. 万が一のトラブルに備えて、装具セットを浴場へ持参しましょう。
入浴前の脱衣所での準備
1. 事前に浴場内のトイレの場所を確認しておきます。
2. 脱衣所では、目立たない照明も暗い片隅を選び、周囲に人のいない場所で、衣服を着脱しましょう。
浴室内では
1. 浴槽内では、人の出入りが少ない場所で装具を手で押さえておきます。
2. 移動するときは、装具の部分をタオルで隠しておきます。洗い桶を持つとタオルを入れることもできるので、便利です。
3. 洗い場では、ストーマが左にある人は左端に、ストーマが右にある人は右端に座ると人目に付きにくいようです。
入浴後の脱衣所での処理
1. 装具についている水分は、乾いたタオルで拭きとります。
2. 入浴用の装具や保護シートを使用した場合は、自室等に戻ってから取り替えます。
3. 装具の密着がおかしいなど異常を感じた時は、装具セットを持ってトイレで処置します。( タオルも忘れずに)
自室の洗面・脱衣所/浴室で
1. 浴場での入浴後、自室の洗面・脱衣所で入浴用の装具や保護シート等を取り外し、通常の装具を取り付けます。
2. 装具の交換は、自室の洗面・脱衣所と浴室で行います。
運動について
たいていの運動は、術後の体力回復とともに徐々に再開できますが、始める前に主治医と相談することが必要です。
簡単なスポーツから始め、徐々に運動量を増やすようにしてください。ただし、腹部に力が加わるとかストーマを圧迫するようなスポーツは避けたほうがよいでしょう。
(例:レスリング、相撲、柔道、格闘技やラグビーなど)
スポーツの前には排泄物を捨てましょう。
運動中は腸の動きが活発になりますので、便がでやすくなります。
スポーツの前にはストーマ内の便はトイレに流しておくようにしましょう。
汗で装具がはがれることがあります。
ストーマ用ベルトを用いたり、テープで補強するなどの工夫をしましょう。
汗を多くかいた時には皮膚保護材のふやけが進んでしまうことがあるので、その場合は装具交換を1 日早めましょう。
水泳時は装具の工夫をしましょう。
排泄物を収容する袋:ストーマ袋(パウチ)部分は水に溶けやすいので、ストーマ袋(パウチ)の外周を防水性のテープを貼ってふや
けるのを予防しましょう。
水泳のときには水着は無地のものより柄もののほうがパウチのふくらみが目立ちません。デザインはフレア、パレオ付きのもの、Aライ
ンのワンピース型などを選ぶと、パウチが目立ちません。セパレートタイプのものを選ぶと排泄物を処理するときにも便利です。
男性の場合はボクサー型かトランクス型の水着の中に水泳用下着を付けてストーマ装具を入れ込むと安定します。
旅行について
体力が回復すれば、家族や友人と旅行に出かけることもできます。
オストメイト協会では研修旅行なども行っていますので、お近くの支部からに参加して、さまざまなことを体験できます。
オストメイト協会支部一覧:http://www.joa-net.org/-branch/
荷づくり
ストーマ装具の一式セットを用意しましょう
-
①ストーマ装具
-
②アクセサリー類
洗浄剤 -
③ティッシュ
ウェットティッシュ -
④下着
-
⑤ビニール袋
(装具を捨てる時) -
⑥洗濯バサミ
クリップ
ストーマ装具は、多めに持参しましょう。
体調によっては装具を早めに交換しなければならないとか、突然の排泄物の漏れなど予期せぬアクシデントを想定しましょう。
宿泊日数や交換頻度を考えて1 セット以上余分に準備するようにしましょう。
携帯用バッグで常に持ち歩きましょう
装具と用具類は、常に持ち歩くことができる携帯バックと衣類等の収納バック等とに二分して持参しましょう。この場合、携帯バック は常に手元から離さず、装具と用具類は使用した分を補充することを忘れないように。
旅行に持って行くと便利なモノ
ストーマ用はさみ(フリーカットタイプの面板を使用している場合)
防水シーツ(宿泊先でモレが心配な場合)
入浴用の小さくて目立ちにくい装具
下痢止めや便秘薬
車で移動する旅行の場合
暑い季節に車で旅行するときは、高温で皮膚保護剤が溶けて変形する恐れがあるため、装具を車のトランクに入れないようにしましょう。
飛行機を利用する旅行の場合
ストーマ用はさみは機内持ち込み禁止のため、スーツケースに入れ預けましょう。このとき、手持ちの面板はストーマ孔を開けておき
ましょう。預けた手荷物がなかなか届かないこともありますので、携帯用バッグは重要です。
機内に持ち込むケア用品の中に、洗浄剤など液体物がある場合は、100ml 以下の小さな容器に移し替えて、縦横20cm以下の透明なジッ
パー付きビニール袋に入れましょう。引火性のあるスプレーなども機内に持ち込めませんので注意しましょう。
座席指定ができる場合はトイレに近い席を予約する
飛行機や電車などの座席指定では、トイレ近くの通路側の席を選ぶと便利です。
尿路ストーマの方
夜間に外部畜便袋(ナイトバッグ)を使用する方は、布団よりも床と高低差のあるベッドの部屋を選びましょう。
洗腸の場合
旅行先のトイレに洗腸用バックを引っ掛けるフックがあるとは限らないので、S状フックを持って行きましょう。
事前確認
事前に行き先近辺にトイレがあるかどうかを確認しておきましょう。
行き先にトイレが無いために探し回らないといけないという事態を避けるため、事前に公衆トイレ、デパート、コンビニなどトイレのある場所を調べておきましょう。
特に海外旅行先では、国内のようにトイレが簡単に見つかるとは限りません。ツアーなどの自由行動で動くときは、目的地までの行動
範囲内のどの辺りに公共トイレ(美術館、図書館、ホテル、デパート、教会など)があるか事前に確認しておくと良いでしょう。
装具の入手連絡先を確認しておきましょう。
生き先で装具を入手できるお店などを確認しておきましょう。
公共機関の割引
身体障害者手帳の提示で、電車や飛行機、バスなどの運賃割引を受ける事ができます。 身体種会社手帳で受けられる福祉サービスはこちらへ
車の移動
シートベルト
安全のためにシートベルトの着用が必要ですが、腹部を圧迫しない工夫としては、シートベルトがストーマにあたらないように位置を
ずらす、シートベルトとストーマの間にタオルをかませる、といった方法があります。
ストーマの状態によりベルト着用が難しい場合は、道路交通法上「障害のため座席ベルトを 装着することが療養上又は健康保持上適当
でない者が自動車を運転するとき」着用の義務が免除されるため、身体障害者手帳とともにストーマ保有者であることを証明するもの
を携帯しておくとよいでしょう。
移動中の服装
ストーマを圧迫しないよう、ゆったりとした身体を締め付けない服を選びましょう。
尿路ストーマの方
長時間尿を処理できない時は、ストーマ袋に外部畜尿袋を接続し、脚に固定できるレッグバッグを使いましょう。
飛行機
機内に装具を1 セット以上携帯しましょう。
機内には、はさみを持ち込めません。フランジの穴あけではさみを使うタイプの装具を使用されている場合は、旅行前に切っておくと 良いでしょう。預ける荷物の中にはさみを入れておくのは大丈夫です。
液体の持ち込み制限
機内では気圧の変化で装具が膨らむことがあります。消化管ストーマの方はガス抜きで切る脱臭フィルター付きの装具をつけましょう。
尿路ストーマの方は、トイレで排出口を開けるなどしてガスを抜きましょう。
海外旅行先での洗腸用の水
海外旅行先では、飲料に適さない水は洗腸にも使えないので、ミネラルウォーターを使用しましょう。
機内での飲食
炭酸飲料、豆類、こんにゃく、ごぼう、消化の悪い炭水化物など、ガスが発生しやすい食品は避けましょう。 飲料水は過度に摂取しないようにしましょう。飛行機に乗り込む前には、中身を必ず排出してから乗るようにしましょう。
海外旅行保険
環境が変わる事で体調を崩したり、けがや事故に遭って治療が必要になる場合もあります。トラブルに備えて渡航前に海外旅行保険に 加入しましょう。
尿路ストーマの方
長時間尿を処理できない時は、ストーマ袋に外部畜尿袋を接続し、脚に固定できるレッグバッグを使いましょう。。
性交渉について
手術後に体力や心理的にも自信が持てるようになれば、セックスに対しても欲求が出てくるのは自然なことです。ただし、性機能障害 の可能性がある場合は医師に相談するようにしましょう。
性生活の時間帯に排便が起こらないように食事時間の調整を行って、コントロールしましょう。
食後2 ~ 3 時間に排便があることが多いので、それ以降がよいでしょう。
性生活の時間前には排泄物を捨てましょう。
ガスや排泄物でふくらんでいると不意の失敗の原因になりやすいので、事前に排泄物は捨てましょう。
装具がじゃまにならないようにしましょう。
装具がじゃまにならないように、ストーマ袋をくるくる巻いてテープでとめたり、パウチカバーを被せたり、腹帯で覆うなどの工夫を
して、互いの肌にまとわりつかないようにしましょう。
ミニストーマ袋(ミニパウチ)やストーマに栓をするもの(コンシールプラグ)のような目立たない装具に替えておくのもよいでしょう。
装具がはずれないように、しっかりと装着しましょう。装具がはずれて寝具を汚すことが心配であれば、寝具の工夫をしましょう。
ストーマ袋(パウチ)は防臭効果の高い材質を選び、体動により臭気や排泄物が漏れないように皮膚にしっかりと装着しましょう。 心配であれば防水シーツを敷くなどの工夫をしましょう。
性機能障害
ストーマを造設したことにより、性機能が損なわれることはありませんが、女性の場合は手術によって性交痛を感じることがあったり、 男性では勃起不全などが起こる場合があります。そんなときは一人で悩まずに、主治医やストーマ外来でWOCナースに相談してみま しょう。
出産・妊娠について
たくさんの方がストーマ造設後に、妊娠・出産されています。ストーマがあっても妊娠・出産は可能ですが、病気との関係がありますので、 望まれる方は主治医と相談してみましょう。
精神的に余裕ができてから妊娠・出産の計画をしましょう。
食妊娠すると今までの生活が変わってきます。ストーマ管理だけでなく、身体全体のことを考える必要がありますので、精神的に余裕 ができてから、計画を立てるようにしましょう。
薬を服用している方は妊娠前に主治医と相談しましょう。
薬によっては母体や胎児に影響の出るものもありますので、主治医とよく相談しましょう。
お腹が大きくなることに伴い、ストーマが腫れたり、むくんだり、脱出を起こす恐れがあります。
対処方法としては、
1.ストーマの径に合わせて面板のストーマ孔を大きく開ける。
2.お腹が大きいために面板の安定感がない場合は、腹部を圧迫することのない軟らかく薄い面板に変更する。
3.スキンケアは優しく丁寧に行う。
※脱出した腸管(ストーマ)が戻らない場合は、医療機関への受診をおすすめいたします。
つわりがひどい時は、食べたいものを食べるようにしましょう。
ただし、妊娠後期は体重が急激に増えるので、赤ちゃんとストーマに負担をかけないように、暴飲暴食はやめましょう。
子供を抱き上げたりする際にお腹を蹴飛ばされても、服の上からでは粘膜を傷つける心配はありません。
お腹にクッションを置いたりするなど工夫をすると良いでしょう。
オストメイト対応トイレ
公共交通機関、高速道路のサービスエリア、デパートやショッピングセンターなどでも、オストメイト対応トイレの設置が進んでいます。 専用のトイレがある場所を知っておくと安心して外出できます。
オストメイトマーク( 案内用図記号) の表示
オストメイト対応トイレ設置場所検索
オストメイトJP
パソコンから http://www.ostomate.jp/
携帯から http://m.ostomate.jp/
オストメイトトイレの一例
-
ストーマ袋内の排泄物 を汚物流しに捨てる
-
必要であれば、お腹を 洗う(温水シャワー)
-
使用済みのストーマ袋 を廃棄する
災害について
震災・風水害など災害への対策は十分ですか。災害時のオストメイトにとってストーマ装具の身近な
確保は何よりも大切なことです。
万が一に備えて、ご自分で準備すべき事や、居住地自治体の災害対策などを確認しておきましょう。
非常持袋
非常持出用袋を用意しましょう
-
①ストーマ装具
7 ~ 10 日分くらい用意し ましょう。1 枚はすぐ使 えるように面板を切って おきます。消費期限に注 意しましょう。
-
②ティッシュ
ウェットティッシュティッシュは水に流せる もの。ウェットティッシュ は水やせっけんが使用で きない場合の代用品にな ります。
-
③ビニール袋
(装具を捨てる時)中身の見えない不透明な ものを選びましょう。
-
④ばんそうこう
テープ類ストーマ装具の補強や、 固定など、災害時は色々 役に立ちます。
-
⑤はさみ
アクセサリー類など供給されたストーマ装具 に穴を開けるためのはさ みや、ふきとる清拭剤な ど、普段から使用してい るアクセサリー類を揃え ておきましょう。
※ストーマ装具には消費期限がありますので、6か月ごとに点検し、交換しましょう。
イレオストミー( 回腸人工肛門) の人は勿論のことコロストミー( 結腸人工肛門) の人は、ドレーナブル・ストーマ袋( 下部開放型) を
入れておくと交換の手間が省けるので、避難所などの不便な場所では便利です。
ウロストミー( 人工膀胱) の人は、レッグバッグ( 下肢装着用蓄尿袋)、ナイト・ドレナージバッグ(夜間用蓄尿袋)も用意しておきましょう。
自己導尿の人はカテーテルを忘れずに。
洗腸をしている方は自然排便法をマスターしておきましょう。
災害時は上水道の破損や、避難先での洗腸場所の確保が難しく、洗腸ができなくなります。そのため洗腸している方は自然排便に頼ら
ざるを得なくなりますので、普段から自然排便法にも慣れるようにしておきましょう。
自然排便の場合は、当然のことながら自然排便用の装具を用意しておきましょう。
下痢止めや便秘薬
緊急時の無料提供
ストーマ用品の無料提供
災害発生から一ヶ月間、ストーマ用品セーフティーネット連絡会(OAS) よりストーマ用品の無料提供が受けられます。
災害救助法適用の市町村内被災ストーマ保有者で、家屋の倒壊などによりストーマ用品の持ち出しや入手が困難な方が対象となり、入
手が困難な避難所、病院などへ提供されます。
ストーマ装具の緊急供給
装具を持ち出せなかった場合や手持ち分が残り少なくなった時は、避難所で災害時救援物資指定の「ストーマ装具」支給を申請して受
け取ることとなります。ただし、一部の地方自治体では、ストーマ装具の支給体制が整っていないところがあったり、日常使用してい
る装具が入手できるとは限らないので、あるもので間に合わせるしかありません。
供給される面板はフリーカットタイプが多くなるので、面板に穴をあけるストーマ用のはさみとサイズの型紙が必要となります。
緊急時の連絡先
日本オストミー協会
日本ストーマ排泄リハビリテーション学会
日本創傷・オストミー・失禁管理学会
ストーマ用品セーフティーネット連絡会
(右記6社から1 年ごとに担当切替)
03-5670-7681 http://www.joa-net.org/
052-764-2939 http://www.jsscr.jp/
03-5291-6231 http://www.jwocm.org/
アルケア株式会社 03-5611-7800
コロプラスト株式会社 03-3514-4141
コンバテックジャパン株式会社 03-5545-8001
ソルブ株式会社 045-476-3005
株式会社ホリスター 03-3280-6200
ムラナカ医療器株式会社 06-6943-1221
情報をまとめておく
災害時の緊急連絡用として、装具の情報や連絡先のメモをまとめておきましょう。
<ご自身のストーマ情報> | |
---|---|
ストーマの種別 | コロストミー・イレオストミー・ウロストミー |
ストーマのサイズ | 縦( mm) 横( mm) 高さ( mm) |
日常使用している装具の商品名 | ストーマ用品 メーカー名 |
ストーマ用品 メーカー名 | |
製品名 | |
サイズ | |
製品番号 | |
<各種連絡先> | |
装具メーカー相談窓口 | コロストミー・イレオストミー・ウロストミー |
日常使用している装具の商品名 | 装具購入先 |
電話番号 | |
市町村の役所 役所名 | 役所名 |
電話番号 | |
受診しているストーマ外来 | 病院名 |
電話番号 | |
(公社) 日本オストミー協会 | 支部名 |
電話番号 | |
※使用したことのある商品名も記入しておくと、緊急時の品切れのときに役に立ちます。 ※装具に変更を生じたときは、記載内容の訂正を忘れずに。 |
普段から近隣の人たちとのコミュニケーションを深めましょう。
災害が発生すると、通信手段や交通網などの混乱が起こります。そんな時に頼りになるのは近隣住民の支援です。日頃から支援が期待 できる関係を築くと共に、地域の活動に日頃から積極的に参加し、災害時に支援が必要な状況を理解してもらいましょう。
普段から市町村役所が定めている自宅近くの『避難所』を確認しておきましょう。
災害発生時における家族との連絡方法を決めておく。
災害用伝言ダイヤル『171』(局番なし)の使用方法を覚えておくと、災害時の電話がつながらないときに役立ちます。
日頃から近隣や地域の人たちと挨拶を交わし、顔なじみになりましょう。
地域の防災訓練に参加し、避難経路や避難場所を確認しておきましょう。
地域の行事や活動に参加し、近隣の人たちとのコミュニケーションを深めましょう。
自治会・民生委員などを通じて、災害時に支援が必要であること、必要とする支援内容を理解してもらいましょう。
事故・入院について
事故に遭ってしまったら
不慮の事故に遭い意識が無いと、ご自分でストーマ保有者である事を伝える事ができません。 適切な治療を受けるためにもストーマ手帳や、メモを持ち歩くようにしましょう。
入院が決まったら…
入院する病院に現在使用しているストーマ装具があるとは限りませんので、ご自分で準備するようにしましょう。